建築の工法について知ろう

住宅は、完成後の外見からは見分けがつきませんが、さまざまな建築工法で造られていて、その骨組みとなる構造体もそれぞれの工法で異なります。

建築会社・業者はそれぞれに最も得意とする工法で施行するため、建築会社・業者を選ぶということは工法を選ぶということと同じです。

ここでは住宅建築における代表的な工法と特徴について説明いたします。



木造軸組み工法(在来工法)



日本古来からの伝統的な住宅建築工法で、一般的には「在来工法」といわれている。

柱、梁、土台、筋交いなどを主な構造体として、上からの荷重や地震などの横揺れなどを、木材の力で支えるものです。棟梁・大工の技術が最も発揮される工法です。

かっては地震に弱いといわれたこともありましたが、最近は建築基準の強化や横揺れに対する補強法が普及することで、耐震性についても非常に強い強度が確保されている。

【優れている所】
日本の気候風土に適していて、居住性に優れている。

◎地型(土地の形)に応じて自由な設計ができる。
◎間取りやデザインの制約が少なく、自由度が高い。
◎窓など比較的広い開口部の設置ができる。
◎他の工法と比べて、容易に増改築(リフォーム)ができる。
◎比較的建築費用が安価で予算に応じた施行ができる。

【デメリット】
◎他の工法に比べて工期が長いこと。
◎現場施行率が高いので、工期が天候に左右されやすい。
◎木材は木種や部位によって強度や特性が異なるため、荷重のかかり具合が不安定で、安定した強度を確保するのが難しい。
◎高気密・高断熱住宅になりにくい<最近はウレタン吹き付けなどの施工技術によってこの点の問題は解決されています>
◎施工者の技術次第で精度にムラが出やすい。<実際に施工した家を見せてもらって、腕のいい大工さんのいる建築業者かどうか見極めてください>



プレハブ工法



住宅を複数のユニットに分けて、仕上げに近い状態まで工場で製作し、現場に搬入して組み立てる工法です。

ユニット工法とも呼ばれる。

最新技術を駆使した工場で製作されるため、部材の品質にバラつきが少なく、施工者の技術に左右されにくいため、施行ムラが少ない工法です。

工場製作のため建築現場での工期が大幅に短縮できますが、外観のデザインや間取りなどが制約される。

【優れている所】
◎現場での工期が短くてすむ。
◎職人の技術に左右されにくく、一定の品質が確保できる。
◎部材品質にバラつきが少ない。

【デメリット】
◎間取りが制約される。
◎ユニットが搬送・搬入できる土地に限定される。
◎変形な土地への建築は不向きです。
◎比較的価格が高い。


ツーバイフォー(2x4)工法



アメリカやカナダで開発された住宅建築工法で、別名を「枠組み壁工法」ともいいます。

工法としては2x4インチの断面の木材で造られた枠組みに、合板を釘打ちしたパネルを組み合わせてつくる。

これにより壁、天井、床などの面を構成させ、上からの荷重や横揺れを支えます。一般の在来工法に比べると地震に対する強度は高いといわれていますが、そうとは限りません。建築基準法には、耐震性の数値基準が掲載されていますが、軸組工法とツーバイフォー(2x4)工法の両方を計算してみて、数値が同じなら、耐震強度も法的には同じだということです。ツーバイフォー(2x4)工法が軸組工法より耐震性に優れているということではありません。

【優れている所】
◎構造部材が規格化されているので、品質にバラつきが少ない。
◎施工方法がマニュアル化されているため施工が比較的容易。工期が比較的短く、安い。
◎職人の技術に左右されにくい。
◎軸組工法に比べて耐火性に優れている。

【デメリット】
◎壁で支える構造であるため、在来工法に比べて窓などの開口部が制限される。
◎在来工法に比べ、設計の自由度が低い。
◎水分を吸収しやすい合板を多用するため、湿気に弱く、施行場所が限られる。湿気や雨の多い日本には本来適さない。
◎壁で支える構造のため、リフォームの際に壁を動かしたり、壁に開口部を設けたりできず、増改築が難しい。

(注)ツーバイフォー(2x4)工法は日本独自の規格で、アメリカやカナダではツーバイシックス(2x 6)工法です。強度も廊下幅もツーバイシックス(2x 6)工法とは異なります。不器用な大工でも建築できるようにマニュアル化することでこの工法が開発されました。


鉄骨造り工法



鉄骨には、「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」の2種があります。
ハウスメーカーが多用しているのは軽量鉄骨です。
重量鉄骨は非常に太くて頑丈な鉄骨で、3階建ての住宅などで採用されております。

軽量鉄骨の場合、鉄骨の柱と梁、ブレースといわれる筋交いに相当する部材で骨組みをつくり、躯体を構成する工法です。

この軽量鉄骨工法は、多くのプレハブ住宅メーカーに採用されている。
強度に優れているほか、材料の工場生産化が進んで、品質が安定しているので、施工精度が高いという点もメリットの一つです。

重量鉄骨は、さらに鉄骨の強度が高く丈夫なので、柱の本数が少なくてすみ、ブレースを多く使用する必要がないので、軽量鉄骨よりも設計の自由度が高いといえます。

【優れている所】
◎木造軸組工法と同様に、設計やデザインの自由度が高い。<注:セキスイハイムなどは除く>
◎多くの部分を工場で生産するため品質が安定していて施工精度が高い。
◎比較的広い開口部の設置が可能である。
◎経年変化があまりないため、耐久性に優れている。

【デメリット】
◎錆やすいため十分な防錆措置が必要です。
◎地震や道路の通行車両などからの振動でよく揺れる。
◎熱伝導率が高いため、結露しやすい。
◎建築費用が割高になりがちである。


鉄筋コンクリート造り(RC)工法



鉄筋を縦横に組み、そのまわりを型枠で囲い、コンクリートを流し込んで造ります。ほとんどのマンションはこの鉄筋コンクリート造り(RC)工法で、耐久年数は比較的長いのが特徴です。強度についても最も頑丈です。

コンクリートは木の10数倍の重量があるため、基礎、地盤が決め手となります。

鉄筋コンクリートと木の違いは「重さ」です。同じ面積の壁で比較してみた場合、木造の壁(骨組み)の10数倍から20倍近く鉄筋コンクリートの方が重くなります。こんなに重いと、木造よりもはるかにしっかりした地盤と、強度のある基礎が必要になります。

【優れている所】
◎強度がもっとも高い。
◎耐火性に優れている。
◎高気密・高断熱である。
◎防音性に優れている。
◎欠陥の発生率が低い。

【デメリット】
◎工期が長く、工事費用ももっともかかる。
◎強固な地盤と強度の高い基礎工事が必要である。
◎結露しやすい。
◎蓄熱性が高いため、夏暑く、冬寒い家になりがちである。





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